弊社では、大手ゼネコン各社様からのご依頼を受け、建築施工図作成を中心とした業務に携わっています。
この記事では、自分でブロックを作成する時に知っていると少し便利な画層の設定をご紹介します。
業者さんや別現場の図面からもってきて作業中の図面に挿入すると、
どうしても選択した画層プロパティに合った色や線種にならないブロック、ありませんか?
このような面倒は「ブロックの中身」のオブジェクトと、それらをひとまとめにした「ブロック自体」、
それぞれにプロパティ(色や線種、線の太さなど)を設定できることで起きてしまいます。
同じ画層を使用している現場同士ならいいのですが、違うとその都度設定を変更せねばならず
手間がかかってしまいます。
「ブロック自体」の画層を変更すると「ブロックの中身」のプロパティが
自動で適切に切り替わるブロックを作成してみましょう。
ブロック作成時の設定
ブロック作成はまず必要なオブジェクト(=「ブロックの中身」)を作成し、
それをひとまとめの「ブロック」として登録します。
こうして作成したブロックをここでは「ブロック自体」と呼びます。
色々なパターンがあるので絶対にこれ、とは言い切れないのですが、
ブロックを作成する時は基本的に「ブロックの中身」は下記のような設定にしておくことをお勧めします。
画層 0、ByBlockの特徴は以下の通りです。
画層 0
①「現在の画層」(「ブロック自体」の画層)のプロパティが優先される
これは0画層の特徴の一つです。
この設定にしておけば「ブロックの中身」は画層 0 ですが
「ブロック自体」を違う画層にした場合、その画層プロパティが優先されます。
②画層0はAutoCADの図面であれば必ず存在する画層
この画層で作っておけば別の図面に挿入した際に余分な画層が増えてしまうことを防げます。
Byblock
「現在の画層」プロパティ(「ブロック自体」の画層)に従う設定です
この設定にしておけば「ブロックの中身」の線種・色、線の太さなどが
「ブロック自体」の画層プロパティに合わせて変更されます。
一方、よく使われるByLayerには以下のような特徴があります。
ByLayer
ブロック作成時に選択した画層のプロパティ
(「ブロックの中身」の画層プロパティ)に従う設定です。
画層 0とは違う画層で「ブロックの中身」を作成した場合、
線種や色をByLayerに設定すると、ブロック挿入後に「ブロック自体」の画層を変更しても
その画層プロパティに合わせて「ブロックの中身」は変更されません。
逆に言えば、ByBlockではなくByLayerでも画層0で「ブロックの中身」を作成しておけば、
①が適用されるので特に問題はないのですが、違いを知っておくと必要に応じて使い分けができます。
それでは実際に異なる設定で「ブロックの中身」を作成したブロックの画層を変更してみます。
それぞれの「ブロックの中身」の画層・色・線種の設定は図の下に書いてある通りです。
「画層 apple」のプロパティ設定は 色:White 線種:CONTINUOUS(実線) です。
①と②は見た目の違いはありません。
では3つの「ブロック自体」の画層を
「画層 lemon 色:オレンジ 線種:DD10(二点鎖線)」に変更してみます。
① は画層・色・線種ともに「ブロック自体」の画層プロパティが優先されるので
「画層 lemon」の色と線種で表示されています。
② は「ブロックの中身」の画層プロパティに従うByLayerで作成されているので、
「画層 apple」のプロパティ 「色:White 線種:CONTINUOUS」 で表示されます。
③ は「ブロックの中身」の色・線種をそれぞれ設定しているので
「ブロック自体」の画層プロパティには従わずその設定のまま表示されています。
それぞれの設定の違いが分かりましたか?
①の設定で作成しておくことで
「ブロック自体」の画層を変更しても自動でその画層プロパティに沿って変更するので
どの現場・図面でも使い勝手の良いブロックになります。
今回も最後までお読みくださいましてありがとうございます。
少しでも皆さんのお役に立てれば幸いです。
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